知って得するフィルムの世界

身近にあるのに意外と知らない、フィルムのあんなこと・こんなこと。
覗いてみたら、ちょっとだけ世界が変わって見えるかもしれません!

連載6

『プラスチックフィルムの種類』

身の回りや工業製品によく使われるプラスチックフィルム。見た目は同じようでも、実は性能や機能性の異なるいろいろな種類があります。その一例をご紹介します。

プラスチックフィルムの種類一覧

種類 説明
ポリエチレン
(PE)フィルム
価格も安く、スーパーの袋やラップフィルム等に使われています。
ポリプロピレン
(PP)フィルム
PEフィルムより耐熱性が高く、食品包装やコート紙材料などに使われています。
ポリカーボネート
(PC)フィルム
高透明で、耐熱性耐衝撃性に優れていて、光学部品などに使われます。
ポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム
PETボトルの材料にもなるポリエステル樹脂はフィルム状に薄くしても強靭で、かつ加工しやすく、薬品や溶剤にも強く、カード用材料や工業用部品など、幅広い用途に使われます。
ポリイミド
(PI)フィルム
耐熱性や耐寒性が高く、高強度で、スマートフォンなどの基板材料や人工衛星等の宇宙産業など、過酷な状況でも使うことができるフィルムです。
トリアセテート
(TAC)フィルム
トリアセチルセルロースの頭文字をとってTAC(タック)といいます。もともと写真フィルムの材料として使われていました。高透明で複屈折がなく、表面が平滑なので、現在では光学用フィルムとして液晶の材料に使われています。
ポリフェニレンサルファイド
(PPS)フィルム
PPSフィルムは東レ(株)がPPS樹脂をフィルム化したものです。電気特性、寸法安定性等に優れ、長期耐熱温度はPETフィルムより高く、難燃性のフィルムです。コンデンサーや電気絶縁フィルムなど、電子部品に多く使われています。
アラミドフィルム 芳香族骨格で構成されるポリアミドのことをアラミドといいます。耐熱性弾力性に優れており、繊維では防弾チョッキやケーブルなどに使われるデュポン社のケブラー®がよく知られています。フィルムにしたものは弾性率、耐熱性、ガスバリア性、耐薬品性に優れており、工業用材料として使われます。
ポリエチレンナフタレート
(PEN)フィルム
帝人デュポンフィルム(株)がフィルム化しています。PETフィルムに近い使い勝手があり、耐熱性、強度等がPETよりも優れたフィルムです。
アクリルフィルム 高透明耐候性が高く、建材や内装、装飾用途、光学用フィルム等に使われます。
フッ素樹脂
(PTFE)フィルム
耐薬品性、光透過性、耐候性、防汚性耐熱性、防湿性、難燃性、電気特性に優れ、太陽電池の材料としても使われています。

バリエーション豊かなプラスチックフィルム

上で紹介したプラスチックフィルムのなかでも、とりわけ豊富なバリエーションをもつのがPETフィルムです。白、黒、透明、マットタイプをはじめ、多種多様なニーズに対応した製品が続々と生まれています。

PETフィルム

色や厚みのバリエーションが豊富で、
幅広い用途に使用されるPETフィルム

みなさんのイメージする「フィルム」は見つかりましたか? ここでご紹介したのはまだまだ一例です。ぜひ日々の暮らしやお仕事のなかで「これはなんというフィルムだろう?」「こんなフィルムはないのかな?」と、少しだけフィルムに思いをはせていただけたら幸いです!

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